3月12日17年今日の糧

私たちはロバの子―そしてその母

マタイ2117


イエスの出来事を記録する中で、マタイはわざわざイエスが子ロバを調達されたことは、大きな意味があることを見つけました。


イエスが入場したエルサレム、その都はどのような苦しみの中にいたのか、預言者は伝えます。捕囚から帰還した民が見ていた自分達の祖国は荒れ果てていました。あまりにも絶望的な状況です。それでも預言者は伝えます。救い主は都を再び建てる。都を喜びとすると。


娘シオンと呼ばれている都エルサレム。そこに王はロバに乗って登場します。謙遜で人に仕える王は、私たちのために苦しみを受け、その命も与えた王です。権威に満ち、戦えば必ず勝利をする、ダビデ王国の繁栄を再現する強い実力者ではなく、やがてエルサレムがたどる破滅と破壊の運命を見つめて涙を流す王なのです。そしてマタイによる福音書だけが、このロバが荷物を運ぶロバの子であることを記しています。その意味で子ロバは、私たちが本来は返済すべき負債を一身に背負って十字架への道を歩まれるイエスの苦しみ、その重さを背中に感じながら進んで行きました。それは子ロバにとって単に煩わしい、嫌な苦役だったでしょうか。


いいえそうではありません。この時ロバは杭に繋がれ続けていました。その背中には何の重荷もなかったかもしれません。しかし杭に繋がれ続けているよりも幸いな役割りを、イエスはロバの親子に与えました。


イエスはやがて滅んでゆくエルサレムの運命を知っていました。そのエルサレムを心のよりどころとする人々もまた懸命に生きてきたはずなのに、多くの嘆きと悲しみ苦しみに打ちひしがれる日が訪れることを知っていました。その日が近づいているのに真実な神の愛に立ち返る道を見つけることが出来ない多くの民を知っていました。その人々が再び自分の都を取り戻し、再びそこで喜び笑えるように、イエスは十字架の道を進んでいったのです。そして子ロバはそのイエスの働きを共に担っていったのです。


                      

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 今日、6年前の3月11日から始まった東日本大震災によって起こされた大きな苦しみ悲しみを覚えて、O姉妹に祈りの課題を読んで頂きました。この祈りの課題はそこで、呻きつつその地に生きる人々に少しでも笑顔が戻ってくるために働き続けている東北地方連合の牧師達からの言葉です。

牧師や教会員の皆さんは、避難所から仮設住宅へと移動する人々に関わり、6年間仮設の人々を訪問し続けました。 そして今その地を出て行った人々、復興住宅に入る人、地元に戻る人、これからも彼等が悲しみの中に閉じこもってしまわないように、関わり続けることを決心しておられます。そして、同じくイエス・キリストの呼びかける声を聞いた私たちもまた、彼等に寄り添い共に歩む働きがあります。母ロバはイエス・キリストを背に乗せている子ロバの重さがどれほどかを感じながら、いつでも交代出来るように寄り添って歩んでいます。それが現地にはいなくても、志を同じくする日本中の教会の姿でしょう。


                                                    

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                        つゆだく付き


                           


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by hiraoka-joyful | 2017-03-12 14:08 | トピックス  

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